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骨肉腫

こんにちは。獣医師の田中利幸です。

犬の四肢骨格(骨)にができることがあります。そのほとんどが骨肉腫です。

この骨肉腫は主に大型犬から超大型犬(40kg超)に好発するとされているものの、当院では小型犬でも診断されることも多いです。

骨肉腫は足の骨にできることが多く、頭の骨にもできるものもあります。もちろん他の部位の骨にもできることもあるようです。

骨肉腫の診断は骨生検で行ないます。骨生検とはレントゲンやCT検査で骨のを疑った時に、その病変部に針をさして組織を取ります。ただ、この骨生検はしっかりと量を取らないと診断できないことも多く、逆にしっかりと量を取ると取った場所で骨折することもあります。

もともと、骨が、か何かの病気で変形している脆いところに針をさすのでそういうリスクは当然あります。

確実な診断できないのに検査するメリットはあるのか?とか、骨折するくらいなら様子を見た方がいいのか?ということになりますが、もし骨にできている病変が骨肉腫であったら、様子を見ていると危険です。

診断時に転移がなくても、骨肉腫はかなりの確率で転移します。実際のところ、疑った時点でレントゲンやCTに写っていないだけで、潜在的に転移している可能性もあります。

そうはいっても、様子をみている内に明らかに転移がわかるようになったら、遅いですよね。

ちなみに骨肉腫の場合、治療はそのができている足全てを断脚することになります。この断脚の目的は広範囲のマージンをとるということと、痛み緩和です。術後は、骨肉腫の転移率の高さから抗がん剤の併用も行ないます。

基本的には、骨肉腫はその転移の早さ、転移率の高さから積極的な治療を行なう必要のあるだと思います。
ただ、高齢で大型犬の場合、神経疾患や関節炎などで動物自身が立てない場合、断脚をすると全く立てなくなる可能性があります。

個々の動物の状態によって、治療方法は変わると思います。生活環境や、術後のケア、に対するオーナー自身の考え方に基づいて治療方法を相談してもらうといいかもしれません。
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肥満細胞腫

こんばんは。獣医師の田中利幸です。最近、ちょっと忙しくて更新が遅れました。すいません。

皆さん、肥満細胞腫という癌はご存知でしょうか?この癌は、パグやボクサーに多い傾向が見られます。

また、肥満細胞腫は肥満細胞が腫瘍化してしまう病気です。この肥満細胞は、太らせる細胞ではなく、炎症を引き起こす因子を分泌する細胞です。

そのため、肥満細胞腫は、胃潰瘍、出血、発赤、手術した時に傷が治らない、アナフィラキシーなどの症状を起こすことがあります。

肥満細胞腫は基本的に手術で治療していく癌です。上に書いてあるように、出血や傷が治りにくいということもあり、しっかりとマージン(幅)をとって手術する事が必要になります。

そのため、もとの腫瘤が小さくても、手術後に傷口がやたら大きくなります。


また、肥満細胞腫ができる場所によっては十分なマージンをとることができないこともあります。

その時には、抗がん剤や放射線治療が必要なこともあります。また、最近では分子標的薬も使われています。

この分子標的薬は獣医で療最近使われ出した薬です。これは、特定の腫瘍にしかない遺伝子、物質にだけ反応する薬です。

ということは......「抗がん剤と違って、正常な細胞は傷つけない!!」というメリットがあります。まるで夢のような薬ですね。抗がん剤や放射線治療なんかしないで、全部これを使えばいいんじゃないの?と思ってしまいます。

ただ、この分子標的薬はやたら高価です。そのため効く症例に絞って使うべきだと考えます。
分子標的薬は、効くかどうかを判断するのに、c-kitという遺伝子に遺伝子変異があるか外注検査をします。

c-kitという遺伝子のexon11の遺伝子変異があれば、ほぼ効くと言われています。ただし、遺伝子変異がなくても効く症例もあります。これは、外注検査で検査できるのが、exon11だけなのです。他のexonは見ていません。そのため、exon11に異常がなくても効くというのは、他のexon(例えばexon9)に遺伝子異常があったから効いているのかもしれません。

ただ、exon11に異常があれば、分子標的薬が効くことが報告されているので使うべきだと思います。

もちろん、抗がん剤や放射線治療も効果があるので、必要なときは使うべきだと思います。

このように一つの病気でも治療方法はたくさんあります。僕個人の意見としては病気の治療方針は、その子その子の体の状態、獣医師の知識、すぐに適切な治療を行なえるように手を回せる人脈など、色々な要素が絡まっていると思います。自分に診てもらってよかったと思われるように頑張りたいと思います。

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癌の脳転移

こんにちは。獣医師の田中利幸です。

癌は進行すると、肺転移のような遠隔転移をします。

肺以外に脳転移もあるのですが、オーナー様に説明してびっくりされることが多いので、あまり知られていないのかもしれません。

調べた範囲で、報告のある癌は犬のリンパ腫、肺がん、甲状腺がん、そして乳癌です。ヒトではもっとたくさんの癌で報告されています。動物も分かっていないだけで、他にもたくさんあるとは思います。

動物の場合は、大阪をはじめ関西圏では、MRIを設置している動物病院は限られており、いつでもすぐに検査をできる状況ではありません。また、検査をしたとしても、痙攣などの神経症状が出たときに、はじめて全身麻酔をかけて行ないます。ヒトと違って毎回全身麻酔が必要なので、健康診断のMRI検査はハードルが高くなっています。

さらに、転移を疑わせる所見が得られても、確定診断は病理組織学的検査になります。原発巣と同じ組織かどうかの確認が必要です。そのためには、脳の手術が必要になります。脳の手術はさらにハードルが高くなります。

手術をしないで最終的に確定しようと思うと、亡くなった後に剖検させてもらうしかないのですが、これもほとんどできないと思います。

これらの理由から、動物の脳転移が見つからなくて、オーナー様に知られていないと思います。

現時点では、どの癌が脳転移しないとかは言えないので、癌も進行すれば、脳に転移する可能性もあるということを、普段の診察では説明しています。

このブログで、ちょっとでも知って頂ければ有り難いと思います。

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腫瘍の経過観察

こんにちは。獣医師の田中利幸です。

先日、お腹に大きな腫瘍ができている子が来院されました。

見てみると、下腹部に大きな腫瘍ができており、皮下組織に固着していました(腫瘍をつかんでも持ち上げれられない状態)。

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話を聞いてみると、始めは直径2cmくらいの大きさだったのが、様子を見ていくうちに大きくなって、こんな形になったとのことでした。他の病院に行ったら、大きすぎるから手術は無理ということで、当院に来院されました。

CTを撮ってみると、そこまでは浸潤している様子はなかったので、手術可能と判断し、摘出しました。

P1040741_convert_20120417180238.jpg

CT検査で見た目でわからないこともわかるので、手術前の評価としてCT検査は有効だと思います。しかし、大きくなる前に手術していれば、もっと負担が少なく手術ができたと思います。

そのため、腫瘍の種類が分からない状態で、腫瘍が大きくなる傾向があれば、早めに手術で摘出した方がいいと思います。

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肝臓の癌

こんにちは。獣医師の田中です。

書いている内容がわかりづらいから、分かりやすい言葉で書いてくださいと、指摘をうけたので気をつけて書きます。

お腹にできる癌でいちばん発見が遅れるものは、肝臓にできる癌と脾臓にできる癌です。

今回は肝臓の癌について書きます。肝臓にできる癌は、発見が遅くなって手が付けられなくなると、どうしようもないので、早期発見、早期治療が重要となります。ただ、肝臓癌は他の癌と比べて早期診断はかなりやっかいです。

その理由として・・・
1.相当大きくならないと触診で分かりづらい(肝臓が肋骨で囲まれているので触りにくいため)。
2.相当ひどくならないと症状がでてこない。
3.血液検査で異常が出て来ない(肝臓はかなり悪くならないと血液検査で異常が出てきません)。
4.早期発見に有効な、肝臓がんに特異的な腫瘍マーカーがない(どこかに腫瘍があるかも?とわかるマーカーもあります。でも、費用対効果の観点から、あまり有用性が感じられないです。)。

があります。

かなり進行して肝臓癌と診断するのは、獣医師なら診断できて当たり前。そうなる前に診断しないといけないと感じる今日この頃です。

体調が問題なく、健康診断で血液検査したとき、ALT(肝臓の数値)だけが高かったり、原因不明の貧血があるとき、僕個人としては肝臓の癌を疑う必要があると感じています。その場合、エコーで肝臓内に腫瘍があるか確認することが有効と思います。そこで発見されたら、治療をどうするか相談していくことになります。

以下に早期発見、早期治療できた例を示します。

肝臓がんレントゲン
健康診断でALT,ALKP(肝臓の数値)が少し高かったので、念のためレントゲン検査をしました。明らかな異常はありませんでした。ただ、エコー検査をしたところ、肝臓内に腫瘍を疑う影が見えました。

肝臓がんct
オーナー様と相談をして、全身麻酔下でCT検査をしたところ、孤立性の腫瘍が見つかったので(写真向かって右上の部分)、手術で摘出しました。診断は肝細胞癌でした。

現在、再発することなく健康に過ごしています。

もちろん、ALTが高くても、年齢や状況から癌の可能性が少ない場合もあります。全部が全部、癌ではないのでご注意ください。今回、早期診断に重要だったのは腹部エコーの技術と思われます。エコーで癌を疑わなければ、CTを撮る事もなく、早期治療は無理でした。

肝臓癌の早期診断に、特殊な検査機械は必要ないので、どこの病院でもできると思います。血液検査で異常があれば、一度検討してみてください。

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大阪にある動物病院、堀江動物医療センターのブログです。

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